北アルプスに魅せられて                                    山の靴跡

唐松岳

1日目 黒菱平〜八方池山荘〜八方池〜唐松岳頂上山荘〜唐松岳往復
2日目 唐松岳頂上山荘〜八方池〜八方池山荘〜八方


唐松岳・・・
以前から行ってみたい山だったが、なかなか実現できない方面だった。
今年、milkさんの八方〜唐松〜五竜〜遠見のレポを見てまた行きたくなった。
夏休みも終わり、暑さにうんざりし、どこにも出かけたくない気分の毎日・・・
なぜか突然、意欲がわき、9月第2週に照準を合わせ急遽計画立案。
そうこうするうち、ROCKYさんが1週前に計画していることがわかったが、
その日はビアマウントが決まっており、残念ながらご一緒は出来なかった。

車では遠いし、帰りの渋滞を避けることも困難なので、はじめからバスか電車で計画を進める。
八方のゴンドラの運転開始はこの時期7:30。
でも、調べるうちに黒菱平のリフトが6:30運転開始で、
それにあわせ八方6:00発のクロビシマウンテンバスというのが運転されている。
さらに午前5:40着の「ムーンライト信州」の運行にあわせ、白馬〜八方のバスが5:50発。
「ムーンライト信州」は睡眠不足必至だが、この案に決定した。

 


八王子 午前0:40発の「ムーンライト信州81号」
案の定、うつらうつら状態だったが、
何とか疲れが残らないほどには休めた。
そして、午前5時40分 白馬着。
駅前に降り立つと、まだ朝日はさしていない・・・
はたして晴れるのか?

 

:50発のバスで八方インフォメーションセンターに。
クロビシマウンテンバスの1便は予約制で
600円が500円に割引になる。
マイクロバスの乗車人数は思ったよりも多かった。
(オンマウス)

 

バスは和田野の森の各ホテルを回り、黒菱平への道に入る。
標高が上がるに従い、朝日が差し込んできた。
バスの中から一枚・・・

6:25 黒菱平に到着。
既に運行を始めたリフトにすぐに乗る。
あっという間に高度を稼ぎ、下に黒菱平の駐車場が見える。
(オンマウス)

 

1本目のリフトを降りると目の前に白馬三山が聳える。
太陽の方角を見ると、下に雲海、上にもいい感じの雲が浮いている。

 

2本目のリフトへの乗り継ぎへと歩くと、
ちょっと遠くにこんな花が咲いていた。

イワショウブのようだ。
左がわはワレモコウ。

 

2本目のリフトもあっという間に高度を稼ぎ、
標高1830mの八方池山荘に到着。
午前6:50 予定より少し早くスタート。
向こうに見える双耳峰は?
鹿島槍でいいのかな?

 

登山道にはウメバチソウとハクサンシャジンがたくさん咲いている。

 

向こうに見えるのは遠見尾根かな。

 

花は期待していなかったが、結構楽しめる。
シナノオトギリ、白いホタルブクロ、マツムシソウ

 

木道の先にはさわやかな空が広がり、八方ケルンが見える。

(オンマウス)
その手前、息(やすむ)ケルンとプレートのついた第2ケルンの向こうには
不帰ノ嶮がはっきり見えている。
左から3峰、2峰、1峰と名前のとおりの峰が続く。

 

7:30 八方ケルンに到着。

  

ここからは不帰ノ嶮から白馬三山がすばらしいパノラマでひろがる。
(クリックでパノラマビュー)

 

足を進めると、足元にオヤマリンドウが現れた。
花びらが開いているのは珍しい。

 

7:37 八方池を見下ろす場所に到着。
迷わず湖畔を回る道に進む。
不帰ノ嶮を正面に見る湖畔に着くと、山は綺麗だが、水面には漣がたっている。
足を止めるたびに心地よい風が吹きぬけ、汗が引きとても気持ちよいのだが・・・
湖畔を回ると、撮影用のデッキの上には三脚を構えた二人のカメラマンがチャンスを待っている。
ちょうど着いたときにちょっと風が弱くなり、何とか水面に映る白馬三山をGET!

  

この位置からは不帰3峰は頭の上しか見えないが、池に映る全体像は・・・

 

満足し、出発したあと振り返ると、少しずつ登山者の姿が増えてきた。


登山道脇にはウラジロナナカマドの赤い実や、ベニバナイチゴ(かな?)の赤が目に付く。


下の樺から上の樺に向かう途中あたりだったか?
青空に向かう登りが気持ちいい。

8:35 扇雪渓で一休み
ここまでちょっとペースが速かったか、少し疲れてきた。



登りはじめると、富士山が見えているのに気がついた。
(左1/4のあたりにちょこっと見えます?)


上の方に丸山ケルンが見える登り

足元はチングルマの群落・・・綿毛が風に揺れている。
(オンマウス)
その根元には小さなタテヤマリンドウ(?)の花も見える。

 

丸山ケルン・・・写真を撮り忘れた。
実はある6年前のレポで読んだ石を探すのに夢中で・・・
でも、6年もたてば普通に積まれたケルンが残っているわけないか。

ここからは不帰ノ嶮が目の前にとても大きく見える。
3峰と2峰はすぐにわかるが1峰は方向が変わり私にはよくわからない。
八方池で見た時間あたりからヘリコプターが頻繁に飛んでいる。
2峰北峰の上には登山者が立っているのが肉眼でも何とかわかる。(オンマウス)

  

さらに登ると、先ほどよりもはっきりと八ヶ岳〜富士山〜南アルプスのパノラマが見えてきた。
(クリックでパノラマビュー)

 

10:00 唐松岳頂上山荘の到着。
剱岳が目の前に大きく飛び込んできた。
ここまでは半袖シャツ1枚でもあまり寒くはなかったが、
西側に出たとたん冷たい風に震える。
長袖シャツを着、レインウェアーの上着を着てから山頂に向かう。

標高2696m 唐松岳山頂
向こうに見える五竜岳の山頂には雲がかかっている。

 

目の前に剱岳

 

北を見れば不帰ノ嶮に続く稜線

 

遠くに目をやれば富士山

 

おっと、あんなところに槍穂が見える。
雲の切れ間を待ってやっと綺麗な槍穂をGET

 

立山〜剱岳のパノラマ
(クリックでパノラマビュー)

 

11:00 唐松岳頂上山荘に戻り、振り返ってもう一度唐松岳
山頂のいる人がだいぶ増えてきた。
(オンマウス)

  

五竜への稜線
予定ではこれから五竜への縦走だが、吹流しのあたりまで行って山荘まで一度戻ってしまった。
実は登りのペースが速すぎたせいか、唐松岳への登りの途中、太腿が攣りそうになった。
下りではなんともなかったが、牛首への登りに不安を覚え、雲も広がってきたのでちょっと躊躇。
このまま下山することも考えたが、夕方から翌朝、天気が一時でもよくなると惜しいので唐松岳頂上山荘での宿泊決定。

     

そう決まれば、小屋前でお湯を沸かし、ゆっくり昼食。
その間にも雲はどんどん広がり、
剱岳も見える率がどんどん低くなる。
午後1時の宿泊受付を済ませ、剱岳も見えないので昼寝。


夕食前、午後5時外に出てみると、
視界数メートルくらいの真っ白状態だった。




結局、夕方は真っ白なまま終わり、午後6時過ぎには雨が降ってきた。
先ほどの天気予報では今夜は雨から曇り、午前0時過ぎに晴れ間の予報だった。
深夜、天候回復を期待してみたが、逆に風が台風並みに強く吹き、雨もやんでいない。

午前6時の朝食が済んだ頃は、雨は少ないが暴風雨状態。
そんな中、A社のツアー10名ほどが五竜へ出発。
小屋の人と、「こんな天気で・・・」と話すと、「縦走路の様子を見れば戻ってくるでしょう。」
しかし、しばらくたっても戻らず、五竜山荘に連絡をしていた。
結局、そのツアーは30分ほどで戻り、小屋の人は再度五竜山荘に連絡。
ツアーの人たちはこんなやり取りが合ったことなど知るべくもないが・・・

さらに若い二人連れが小屋の人に、「カッパのズボンは売ってないか?」と聞いている。
もちろんザックカバーも持っていず、ちょっとあきれるというか・・・

京都からの女性が完全雨装備で出発。
直行バスで帰りたいとのことで、「東京は便が多くて羨ましいです。」

 

確かに、今日帰れればいいので、食堂に戻り、コーヒーをいただく。
入れたてのドリップコーヒーがおいしく、飲み終えてからカップだけ・・・

 

午前7時50分、風雨はあまり弱まっていないが、
久しぶりの完全雨装備で下山。
先行するパーティーも完全雨装備。

小屋を回りこんだところで風は一気に弱まり、
雨はもともとそんなに強くない。
周りは真っ白なので、足元しか見るところがなく、
下山スピードは上がってしまう。
:15 登りで撮りわすれた丸山ケルン到着。

  

30分ほど下ったところで雨が止み、遠くが見えるようになった。
しかしそれも一瞬で、登りで通らなかった第3ケルンではまた雨。

 

しばらくすると、雷も鳴ってきた。
そして下山の一番の難所、歩幅が合わず、突起部に乗ると滑る木道。

 

9:20 リフトに到着。あまりの速さに自分でもびっくり・・・
リフトとゴンドラを乗り継ぎ、ちょっと迷って八方インフォメーションセンターに着いたのが10:20。

東京までの早いルートを聞くと、長野から新幹線という回答。
思いのほか早い帰宅だった。

自分の記録のため・・・
10:40八方発
11:50長野着
12:10長野発
13:26大宮着
新宿経由で自宅着が14:45


晴れの時間は短かったが、充実の北アルプスだった。

         


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