2001年12月28日〜29日
1日目 中の湯〜大正池ホテル
2日目 大正池ホテル〜河童橋〜小梨平の先〜中の湯
雪の上高地に行ってみないか、とK氏から誘われた。
中の湯から釜トンネルを歩いて行くのだそうだ。
雪山は無理でも、上高地なら何度も歩いているので大丈夫だろう。
年末年始は大正池ホテルが営業しているとのこと。
すべてK氏にお任せのまま、当日「あずさ」に乗り込む。
松本で松本電鉄に乗換、新島々に向かう。
新島々ではちょうど良いバスはなかったが、
ちょうど上高地に行くというご夫婦と一緒になり、タクシーの相乗りで行くことにした。
4人だと、バスとあまり変わらない料金である。
中の湯の売店で、おにぎりの昼食をとり、支度を整える。
小雪が舞ってきたが 歩くのに困るほどではない。 トンネルの入口にある小屋に 登山届を出す。 今日は70人ほどが入山しているそうだ。 釜トンネルの中に進んで外を見ると 雪の舞う向こうに大きなツララが見える。 幸いトンネルの中は凍っていず、 アイゼンは不要、 ヘッドランプも必要なかった。 |
トンネルを出ると、相変わらず小雪が舞っている。
吹雪ではないが景色は見えない。
気持ちの良い冷たさの中、黙々と歩き、やがて大正池ホテルに到着した。
夏の入口は閉まっており、売店横の入口から中に入る。
既に何人かが中の食堂で休んでいる。
宿泊手続きを済ませ部屋にはいる。
歩いている時は寒さを感じなかったが、
部屋でじっとしているとヒーターが入っていても寒い。
風呂が沸いたところで早速身体を温める。
ここに泊まるのは写真を撮りに来ている人たちが多い。
外は相変わらず小雪が待っているが
カメラと三脚を抱え湖畔に出て行く人もいる。
風呂にはいった後は外に出る気もなく明日の天気に期待をしてのんびりと過ごす。
6時過ぎに目を覚ますと、
写真を取りに来ている人たちは既に夜明けを撮りに出発している。
食堂に降り、窓から景色を見ることにする。
どうやら天気は良さそうだ。
6時半過ぎ、あたりが明るくなり、 焼岳の頭が白く見えてきた。 |
やがて、朝もやの中 焼岳の頂上に日が差してきた。 |
右に目をやると 穂高にもオレンジ色の光が届いてきた。 |
ホテルの脇から大正池のほとりに出る。
夏なら立派な木道の上を歩くことになるのだが、今回は雪の上だ。
ひとりすれ違ったカメラマンは霧氷が綺麗に撮れるところを探しているらしい。
しばらく樹林の中を歩くと、やがて田代池に出た。
夏に同じ位置から見た景色とはまったく違う景色が目の前に広がった。
しばらくこの景色を楽しみ、また雪の中を進む。
温度計を見ると−15℃、吐く息で髭が凍る。
トレースをはずれてみると膝上まで雪に埋まってしまった。
河原に出ると、焼岳、吊尾根が光っている。
わずかに噴煙を上げる焼岳 |
雪が舞う吊尾根 |
しばらく進み、田代橋を渡ったところで 今度は梓川の右岸に出る。 夏の間は人ごみがイヤで見なかった ウエストンレリーフをはじめて見る。 その後、樹林の中を進み、 やがて人のいない河童橋に到着。 |
橋の上に一人って 他の季節では考えられない。 |
定番、河童橋からの穂高連峰 |
コーヒータイム 手が凍りそう… |
帰りの時間に合わせて 小梨平あたりまで進むことにする。 視界が開けたところで左を見上げると 明神岳が綺麗に青空に浮かんでいた。 帰りの道もゆっくり進みたいので このあたりで戻ることにする。 |
中の湯に戻るまでずっと晴天が続き、綺麗な景色を楽しみながらのんびり歩くことができた。
バスターミナルではスキー板をひいた人が… |
大正池で振り返ると穂高に雲がかかってきた。 |
釜トンネルを抜け、中の湯に到着。
トンネルの入口にある小屋に下山を届ける。
昨日は70人ほどの入山だが
今日は300人ほど入山したそうである。
バスの時間までは余裕があったが、ちょっとした手違いで乗り遅れた。
ちょうど下山してきたご夫婦も松本へ行くというのでタクシーを呼ぶ。
やはりここでも4人だとバスと変わらない。
タクシーがくるまでの間、小屋の中で茶碗酒を振舞われる。
酒はパスさせていただいたが、お茶と野沢菜がとても美味しい。
小屋には山小屋のご主人たちが交代で詰めているらしい。
やがてやってきたタクシーで松本に行き、
ボリュームたっぷりのとんかつを食べてから「あずさ」に乗り、帰路に着いた。
初めての雪の上高地。 夏と違い、静かで綺麗で大満足でした。