北アルプスに魅せられて                                    山の靴跡

瑞牆山・金峰山

初めてのテント泊

2004年5月1日〜2日
1日目 瑞牆山荘〜富士見平〜瑞牆山〜富士見平
2日目 富士見平〜大日岩〜金峰山〜大日岩〜富士見平〜瑞牆山荘

 夏の山小屋の混雑に会うたび、いつもテント泊にあこがれていた。
しかし、なかなかきっかけがつかめない。
そんな時、カモシカスポーツの岳楽多市のハガキに誘われ、高田馬場に出かけてみた。
そこでミレーの60/70Lのザックを見つけ、背負ってみると背中にしっくりくる・・・気がした。
この機会を逃す手はないと、さっそくゲット。
テントは残念ながら無かったので、後日横浜のカモシカスポーツで購入した。
シュラフはタクラマカン砂漠に行ったときのものがある。
GWの雪の無いところなら大丈夫だろうとそこに照準を合わせていた。

さて、どこに行くか。
テント泊に憧れた時から、何度も覚えるくらい見ていたレポがある。
はうさんの「テント泊への道」と、はじめてのテント泊レポである。
瑞牆山と金峰山。
ここしかないと決め、地図を買う。



大き目のザックなので、1泊ならどうということは無いだろうと思っていたが、
羽毛シュラフではないのでかさばるようだ。
アタックザックは局長のデイパックでいいだろうと思っていたが、入らない。
2日前に荷造りをして良かった。
急遽、コンパクトになるアタックザックを買った。
全て荷造りをして重さを図ると17kgだ。
背負いあげる時の重さはずっしりくるが、背負ってみると、重さはそれほどでもない。
天気も良いようだ。
前日は早めに寝た。



1日目

目覚まし時計が鳴る前に目が覚めた。
予定より早く午前5時15分に家を出る。
しかし、さすがにGWである。
国立府中のIC入口が渋滞、
さらにいつも渋滞する八王子も渋滞が始まったところである。
10分ほどのロスで渋滞を通過。
早めに家を出て正解である。
八王子を過ぎると、
両側の山肌に紫色の藤がいたるところに咲いている。
家を出る時は曇っていたが、時々日がさしてきた。
17キロのザック

 

瑞牆山荘(準備中) 瑞牆山荘へのルートは韮崎ICで下りればよいはずであるが
カーナビは須玉ICからを表示している。
朝から道に迷うのもいやなので指示通りの道を進む。
午前8時、 瑞牆山荘前の無料駐車場に到着する。
駐車場はまだ余裕があるが、それでも既に20台ほどがとまっており、
出発の準備をしている人が何組かいる。
身支度をととのえる間にも、次々に車が入ってくる。
無料駐車場

 

登山口には「秩父多摩甲斐国立公園」と書かれた
立派な木製の案内板が設置されている。
登山道に入るとなだらかな登りが
やがて石混じりの登りに変わる。

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登山口 まずはなだらかな登り 石混じり、バランスを崩さないように歩く

 

林道に交差、里宮神社入口の標識がある 20分ほどで林道に出る。
潤平さんのレポによると、
この林道を左に行ったところのヘアピンカーブが
瑞牆山の眺望ポイントらしい。
左のほうを見るとほんの2〜30mで道はカーブしている。
ザックをおろし、歩いていくことに・・・

カーブを曲がると目の前に岩山が聳えていた。
瑞牆山

 

そして、振り返ると八ヶ岳が・・・
この方向から見る八ヶ岳は初めてだ。
天狗岳もはっきり見える。
八ヶ岳

まさにここは絶好の眺望ポイントである。
ザックを置いたところに戻ると、ちょうど日帰りらしい二人連れが登って来た。
あの景色を独り占めにするのは申し訳ないので
「ちょっとそこまで足を延ばすと、素晴らしい景色が見られますよ。」
と、お節介を焼いてしまった。

登山道に戻り少し進むと
「里宮神社参道」の標識が出てきた。
これも、潤平さんのレポにあったなぁ、と
迷わずそちらに進む。
大きな岩の屋根の下に社が祀られている。

 

神社から登山道へ 小さな木の橋を渡り、登山道に戻る。
少し登ると、
先ほど横切った林道がすぐ脇まで来ている。
さらに、ベンチのある休憩ポイントがあったが、
そのまま進む。
午前9時、富士見平に到着。
なんだかあっけなく着いてしまった。
富士見平到着

 

既にテントが・・・ 既に10張りくらいのテントが張られている。
高校生のグループが設営を終わり、
どうやら瑞牆山に向かうらしい。

小屋に比較的近いところがあいている。
そこにザックを置き、小屋に顔を出す。
「泊まり?」という問いかけに
「テントです。」と答え、一人分500円を払うと、
「今、札を渡すから待ってて」といわれ
荷造り札のようなものを
「見えるところにつけておいて」と渡された。

いよいよ、テントの設営である。
買ったときに部屋にテントを張り
シュラフで寝てみた。
さらに昨日、もう一度練習をした。
その成果が出た。
無事、設営完了

 

新しいサブザックに
雨具、軽アイゼンと、
おにぎり、アンパン、ウィダ−インゼリー
それと、ダカラを500ml詰める。

午前9時30分、瑞牆山に向け出発である。
テント場に着いたときは花曇りのようであったが、
いつのまにか日が射している。

小屋の左を緩やかに登ってゆく。
やがて道は尾根を巻いて、樹林帯を水平に進む。

10分ほど進んだところで、樹林帯がきれると、目の前に瑞牆山の全貌が現れた。

 

このあたりから、急な下りである。
膝を痛めないように、ゆっくりと、しかし一気に下ると、
そこは天鳥川である。
コースタイム通り、出発してから30分。
格好の休憩ポイントである。
冷たい水で顔を洗い、
水辺の岩に腰をおろし、おにぎりをひとつぱくつく。

空も青く、岩と新緑が綺麗に映える。

  

小休止のあと、天鳥川を渡る。
小さな石を積み上げたケルンの脇を通り
その先の大きな岩を見て、あっと思い出す。
これも潤平さんのレポにあった「桃太郎岩」だ。
すごく大きい。
とてもカメラに収まりきらず、
数m、道を戻り、改めてカメラを構える。
どうやったら、こんなに綺麗に二つに割れるのだろう。

そんなことを思いながら、岩の脇の階段を登り先に進む。

 

桃太郎岩を過ぎたあたりから、急登が始まる。
しかし、ロープや梯子が出てきて、なかなか面白い。
道の両脇はシャクナゲの群生だ。
まだ蕾も無い。
6月に入ると綺麗だ、と話している人がいる。
ロープ 梯子


シャクナゲの道
また、ロープ

 

大ヤスリ岩 やがて、樹林がきれたところで前を見上げると、
特異な形状の岩峰が現れた。
大ヤスリ岩である。
天鳥川を渡る前に見上げた岩の近くまで登ったことになる。
岩の右下を回って登ってゆく。
やがて現れた梯子は、
潤平さんが来たときは1本歯が抜けていた梯子だ。
今は補修され、難なく登ることができる。
補修された梯子

 

大ヤスリ岩 黒森への分岐 あっという間に、
大ヤスリ岩は目の高さにきた。
岩の上に緑が見える。
まもなく、
黒森からのコースを合わせる鞍部に出た。
ここから山頂まではひと登りである。
しかし北斜面に残った雪は凍っており、
アイゼンを使うほどではないが、
滑らないように、慎重に進む。
氷の登り

最後の梯子を登ると、山頂に飛び出した。

山頂
大ヤスリ岩が下に見える。
南東方向には明日、登る予定の金峰山の目印、五丈石がはっきり見える。
大ヤスリ岩 五丈石

南アルプスの右奥には中央アルプス・木曽駒ケ岳もうっすら見える。
南アルプスの右奥に木曽駒が岳

 

八ヶ岳も綺麗に広がっている。
朝よりは少し霞んでいるが、それでも圧倒される景色だ。
八ヶ岳

 

そうだ、富士山は見えないなぁ、と思って目を凝らすと、うっすらと空に浮かんでいる。
残念ながら、写真には残らなかった。

山頂でのんびりと大休止である。
ウィダーインゼリーを飲み、桜アンパンを食べ、周りの景色を楽しみ、
こわごわ、岩の端から下を覗く。

十分山頂を味わい、さぁ下山だ。

今日一番の難所 くぐれるのかな? まず、今日一番の難所。
足掛けの削られた丸太を下りる。

次に出てきたのは、
登りでは通った記憶の無い岩の隙間。
岩の脇にも踏みあとがあるが、
まるで、入りなさい
とばかりに書かれた赤い矢印。
迷わずかがんで通り抜ける。

50分ほどで天鳥川につく。
冷たい水で顔を洗い、一休み。
このあとの急登に備える。
冷たい水

 

ほぼ、コースタイム通りに富士見平に着いた。
午後1時30分。
まずテントの中を整理し、寝床を整える。
次にコーヒーを沸かし、おやつ。

のんびりと本を読む。
最初はテントの中で寝転んで読んでいたが、
暑くなり、外の石に腰掛けた。
テントの中 コーヒーを淹れる

見上げた空が綺麗だ。
気持ちの良い空だ

 

のんびりと優雅な時間を満喫する。
テントの数はいつのまにか40数張りになっていた。

午後5時、ちょっと早いが夕食である。
今晩のメニューは、かに玉丼とスープ餃子。
苦しいくらいに食べ過ぎてしまった。

夕日がテントに影を落とす。
かに玉丼とスープ餃子

 

夕日 テントに落ちる影

満腹で、動き回るのも億劫になり、シュラフに横になる。
時々テントの回りに足音がする。
以外に周りの声が近く聞こえる。
いつしかあたりは暗くなり、静かになったなぁ、と時計を覗くと午後9時である。
やはり、山小屋の消灯時間と同じくらいには皆寝るようだ。

上は厚手のフリースを着ているので、シュラフの中では寒さを感じないが、
時間とともに、足元が寒くなってきた。
それでも、眠れないほどではない。
時々、目が覚めると、となりのテントのいびきがすぐそばで聞こえる。
真っ暗かと思えば、意外にテントの中の物が見える。
月が出ているのだろうか、しかし、起き上がるのは止めた。

二日目へ

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