2003年11月22日
大倉〜二俣〜後沢乗越〜鍋割山〜小丸〜二俣〜大倉
丹沢のふもとで生まれ育ったにもかかわらず、丹沢に一度も登っていない。
あまりにも近くにありすぎ、小さい時から名前を聞いていたエリアなので
やはり、遠くの山に興味が向いてしまうのかもしれない。
そんな折、のんびり山歩きのえびさんが
「風邪にはみかんと鍋焼きうどん」という潤平さんの言葉を、鍋割山で実行した。
それを見て、丹沢デビューは鍋割うどんと決め、あっという間に実現の運びとなったのである。
小田急線渋沢駅発大倉行きのバスは、始発が6時48分である。
そのバスに合わせ、まだ暗い時間に自宅を出る。
ホームで朝食用に買っておいたパンを食べ、
渋沢駅北口に下りると、子供の頃来た時とは全く風景が変わってしまっている。
既に止まっている大倉行きのバスに乗り込むと、
発車とともにバスの中には似合わないカップ焼きそばの匂いがしてきた。
登山客の満員の車内を見ると、最後に乗ってきた学生の一団が
揺れるバスの中、立ったまま、ひとりはカップ焼きそば、ひとりはカップラーメンを食べている。
あきれているうちに、大倉までは一度も止まらず、ほんの10分で着いてしまった。
大倉のバス停を降りると、 近代的な風の吊橋が目にはいる。 子供の頃にはなかった 「県立秦野戸川公園」だ。 東の空を見ると雲の後に 太陽の光が見える。 残っていたパンを食べ、さぁ出発だ。 |
二俣へは風の吊橋とは 反対方向の車道を進む。 入口には小さな祠と 一緒に道標が立っている。 防犯街灯の上にとまっているのは ヤマガラだろうか。 |
やがて朝日が差し込んできた。 長く伸びた影と一緒に進む。 今日は天気が良さそうだ。 表丹沢県民の森への道標には 下に小さく、鍋割山、二俣と 書かれている。 まもなく道は杉林の中に入り、 そこを抜けると西山林道だ。 |
林道に出るとすぐに 丹沢大山国定公園の標識が。 書いてある地図も正確だ。 左側は四十八瀬川、 道路の傍らにはお地蔵様。 林道は西側斜面なので 朝日が当たらないが、 ときどき方向が変わり、 後からまぶしい光がさす。 川を隔てた向こう側は 朝日を浴びて明るく映えている。 |
林道はやがて前方が開けた。
残念ながら、山の名前が定かではない。
大倉を出てから1時間ちょっとで、 二俣に到着した。 標識に従い、 勘七ノ沢を渡ったところで小休止。 車はここまでは入れるようだ。 10台くらい止まっている。 |
水分補給の後、さらに林道を進む。 小さな滝が現れ、 沢のそばを歩いていることを実感する。 |
やがて前方が開けたところで、
これから登る鍋割山が正面に見えた。
さらに林道を進む。 今回のルートは林道が長い。 道の端には 怪獣のような切り株が… やがて、水のはいった ペットボトルの置いてある ミズヒ沢に着いた。 迷わずに2L2本。 4kgをザックにつける。 ちょうどテント一式くらいかな。 |
ミズヒ沢を渡り、 梯子を登ると、 小さな沢に出る。 ここからやっと 登山道らしくなってきた。 |
ミズヒ沢から約30分の急登で 後沢乗越に着いた。 西に眺望が開けている。 正面に見えるのは檜岳かな? 富士山はここからは見えないのだろうか。 いつのまにか登山者に連れられた犬が 一匹あらわれた。 足の本数が多い分早く進めるのかな。 あっという間に先に行ってしまった。 |
ここから急登の始まりである。 途中、上を見上げると わずかに黄葉の残りが見える。 息が切れかかった頃、 ホッと一息つける平坦な道に… しかし、すぐにまた急登が始まる。 |
ふっと、西のほうを見ると やった〜 綺麗な富士山の頭を見つけた。 俄然、力が復活。 雲がかからないことを祈りながら、 足を進める。 |
さらに急登が続き、 次の平坦な場所には 山頂まであと0.8kmの標識が。 少し腹が減ってきた。 いつもなら何か食べるところだが、 今日はあと少しで山頂なので 水分補給だけで我慢する。 |
次に見えた富士山はとても大きかった。
さらにひと登りで
続けて富士山です。
やがて、 新しい丸太とロープで仕切られた道に変わった。 山頂はすぐだと思って進むが、 意外と長い道のりの後、 鍋割山荘が見えてきた。 |
小屋に入り、持って来た水入りのペットボトルを置く。
まだ、2本目だった。
早速、鍋焼きうどんを頼み、バッジを買う。
名物というだけのことはある。
この季節外で食べるのにちょうどよいのかもしれない。
腹をすかせていたので15分で完食。
食後のコーヒーとあわせ1時間近く休憩した。
さすがに、山の昼食としてはボリュームが多すぎ、
満腹状態となると、腰をあげるのが重くなる。
いつのまにか、青空も見えなくなり、
富士山も完全に雲の中になってしまった。
やはり、早起きは山頂(?)の得である。
当初、塔ノ岳まで足をのばそうと考えていたが、
この曇り空と満腹では
次の目標、温泉に向かうのがよいと決め、下ることにする。
しかし、 同じ道を下るのはつまらないので 小丸を越え、 訓練所尾根を下ることにする。 ハイキングコースのような道を 何度か登り下りする。 ブナはすっかり葉が落ちている。 小丸のピークは気がつかなかったが、 二俣への分岐に着いた。 |
分岐点からは 今通ってきた小丸のピークが よく見える。 空にはまったく青空は なくなってしまっていた。 ここからの下りは 急傾斜をジグザグに下り、 朝通った林道まで 一気の下りだった。 |
二俣からは、朝来た林道を大倉まで下るのだが、
帰りのこの林道歩きは長くてつらかった。
あらかじめ調べておいたバスの時間の10分前に到着。
大倉のバス停は10数人が並んでいた。
「弘法の里湯」に電話を入れてみると、
ちょうどハイキング帰りのお客さんで混んできたところで、
駐車場は満車です、とのことだった。
ともかく行ってみることにして、
鶴巻温泉の駅に降りてみると、
こちらも子供の時の印象はまるで残っていない。
「弘法の里湯」は本当に駅前1分で
ゆったり温泉につかることができた。
富士山、鍋焼きうどん、温泉、目標達成でした。