北アルプスに魅せられて                                    山の靴跡

高見石

2002年12月27日〜28日
1日目 渋の湯〜賽の河原〜高見石
2日目 高見石〜中山〜黒百合平〜渋の湯

この年は雪の訪れが早く、八ヶ岳もかなりの積雪らしい。
昨年の雪の上高地に続き、今年も雪の中を歩きたいが、残念ながら今年は単独だ。
危険箇所が少ない、冬の八ヶ岳入門コース、高見石から黒百合平に出かけることにした。

いつもの通り、八王子から特急「あずさ」に乗る。
茅野から渋の湯行きのバスは、登山姿の乗客が6名。
11時過ぎに渋の湯につき、まずは腹ごしらえ。
テルモスに入れてきたお湯でフリーズドライのタマゴスープを作り、おにぎりをほおばる。
その後、身支度を整え、快晴の中気持ちよく出発だ。

バスに同乗した6人のうち、
学生風の若い男性二人は黒百合平に向かうようだ。
二人連れの女性と、単独の男性が高見石に向かう。
男性はザックにスキーをつけている。

渋の湯 渋の湯ホテルの先の、橋の脇の小屋に登山届を出す。
ちょうど下山してきた2人組がテルモスからコーヒーを注ぎ
休憩している脇をすり抜けるように橋を渡る。
橋を渡ったところで、左の高見石の方向に進む。
一緒のスタートした人たちは誰もアイゼンをつけていないので、
自分もそのままスタートしたが、やはり急な登りは滑るので
少し進んだところで脇によけ軽アイゼンをつける。
やはり、格段に歩きやすい。
樹間の道を進み、しばらくすると視界が開ける。
賽の河原だ。
明るく陽が指すが風が耳を切るように冷たい。

賽の河原

風が強く、雪が飛ばされているので
踏み跡ははっきりしていない。
幸い少し前を進んでいるスキーをしょった男性の
踏み跡を見ながらゆっくり進む。
賽の河原を過ぎるとまた林間の道になるが、
今度は緩やかな登りで歩きやすい。
しばらく進むと高見石小屋が見えてきた。
小屋の脇の雪の小山を越え、正面へ回る。

高見石小屋

小屋に荷物を置き、早速小屋の裏手の高見石に登る。
目の下に雪に覆われた白駒池が見える。
しかし、ものすごく強い風でまっすぐ立ち上がることが出来ない。
西に顔を向けると息が出来ないくらいの風だ。
急いで写真を撮り早々に小屋に戻る。

白駒池

小屋の周りの樹は真っ白な氷に覆われ、
真っ青な空にくっきりと映えている。
今年は12月としては20年ぶりの大雪だとのこと。

この日の宿泊は5人。
4人の先生のグループが先着していた。
稲子湯から天狗岳を目指したが、あまりの寒さと風の強さで、
中山峠から高見石にまわって来たとのことだった。
先を歩いていた男性は白駒池のほうまで行ったようだ。
外を見ると渋の湯で一緒だった女性の2人組が
中山峠のほうに進んでゆくのが見える。
もう午後3時をまわっている。
ちょっと遅いんじゃないかな、と心配になる。

外気温は−15℃。
2階にはコタツが二つ。
ひとつを4人の先生が使って、もうひとつは専用となった。

食事の後、早々に2階に上がり、豆炭の行火の入ったコタツに足を入れ、休む。

午前6時過ぎ、うっすらと明るくなってきたので、外に出てみる。

夜明け 月と星

 

窓についた氷 あまりの寒さに日の出まで待てず、
一旦部屋に戻る。
窓ガラスにはびっしりと氷が張り付いていた。
午前7時15分。
樹間からの日の出だ。

日の出

朝食についたサラダは、シャリシャリと凍っていた。
朝食後、お湯を沸かし、テルモスにコーヒーをいっぱいにする。

先生たち4人は、ピラタスロープウェーに向かうとのことだった。

中山峠に向かう前にもう一度高見石に登る。
今日のほうが多少風が弱く、景色が見やすい。

小屋の向こうに中央アルプス
浅間山 ?

 

高見石からの景色をタップリと楽しみ、
そろそろ中山峠に向かう。
しばらくはうす暗い林間の道を進む。
道は緩やかな登りで
トレースがしっかりしているので
とても歩きやすい。

中山峠へ

 

天狗岳 やがて、空が広がるようになり
天狗岳の頭が見えるようになった。
陽の差し込むようになった道を
しばらく進むと中山展望台だ。
明るい樹間

展望台からは蓼科山の向こうに北アルプスも見える。
蓼科山の向こうに北アルプス

中山山頂 ここは西風が強く、
トレースが消えてしまっている。
道標を見落とし、まっすぐ進みすぎ、一度戻る。

中山山頂に向けしばらく進むと、
登山道脇の木の下にテントがあり、
ちょうど中から2人の女性が出てきた。
もともとテント泊の予定だったようだが、
やはり、黒百合平まで行かず、ここでビバークしたらしい。
しかし、完全な装備できているのだろうが、
−15℃のビバークはとても想像できない。

中山山頂の標識を過ぎ、しばらく進む。
夏のこの道は、大きな岩を急斜面だが、
びっしり雪のついている今のほうがずっと歩きやすい。
と天狗岳をはじめ、景色が良く見える場所に出た。

ザックをおろし、テルモスのコーヒーを飲みながら、景色を楽しむ。

天狗岳

 

硫黄岳

休憩の跡、緩やかな道を中山峠に向かう。
中山峠では、これから天狗岳に向かうパーティーに会う。
ゴーグル、マスクをし、完全な風対策をしている。
今日も山頂の風は凄いのだろう。

中山峠で右に折れ、黒百合ヒュッテに向かう。
テントサイトには二張りのテントがあった。
ヒュッテで、早めの昼食として山菜そばを食べる。
黒百合ヒュッテのトイレは、新しく建てられたらしく、
とても綺麗だ。
しっかり栄養補給と、休憩をしたあと、
渋の湯に向かう。
のんびり行ってもバスの時間には早すぎるくらいだ。

 

雪の人形 渋の湯に向かう道では、
たくさんの登山者が登ってくる。
この道も、夏に比べ、ずっと歩きやすかった。
それにしても、かなりの人数が入っているらしい。
1日早く入ったおかげで、
空いた小屋に泊まることが出来たようだ。

渋の湯では、バスの時間まで
陽の当たるところで日向ぼっこ。
そういえば、ビバークしていた2人の女性も
同じバスで帰るらしく、日向ぼっこしていた。

予定通り、午後2時52分発のバスで茅野に向かい、あずさで帰路に着いた。

昨年の上高地に続き、今年も晴天の雪山が楽しめました。

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