北アルプスに魅せられて                                      山の靴跡

天狗岳

初めての山行

セピア色の天狗岳

2000年9月15日〜16日
1日目 渋の湯〜黒百合ヒュッテ〜中山展望台〜黒百合ヒュッテ
2日目 黒百合ヒュッテ〜東天狗岳〜西天狗岳〜天狗岳西尾根〜唐沢鉱泉

ちょうど1年前に企画された初めての山行が入院という不測の事態で、この年の実現となった。
ご一緒するのは20年来の仕事の付き合いのあるK氏。
新宿7:30発の予定で待ち合わせたが、二人とも7:00頃には着いており、
臨時が数多く運行されているので7:16発の「あずさ」で茅野へ。
茅野着9:48。
さすがに東京よりは涼しく、長袖シャツを着る。
駅前のスーパーで昼食のおにぎりを買い、10:15のバスで渋の湯へ向かう。
11:05渋の湯着。天気は快晴。
登山靴の紐を締めなおし、いよいよ黒百合ヒュッテに向け登山開始である。
渋御殿湯の前をとおり、橋の脇の小屋に登山計画書を入れる。
橋を渡るとすぐに岩だらけの急な登りがいきなり始まった。
途中傾斜は多少少なくなったが、しばらくするとまた急な登りが始まる。
先行するK氏はゆっくりしたペースながら、ほぼ同じスピードで進むが、
初めての私は、傾斜のゆるいところは早くなってしまう。
40分くらい歩いたところでそろそろきつくなってきた。
もう少しで分岐に出るという言葉に励まされ、さらに頑張ると多少開けた場所についた。

 

迷わずここで昼食。
(あとで気がついたが、もう5分頑張れば
もっとよい休憩地点があった…)
フリーズドライの卵スープに
テルモスに入れてきたお湯を注ぐ。
おにぎりをほおばると、あっという間に40分経過。
まわりには苔とその中に赤い実が…
苔

           

さらに同じような岩だらけの道を黙々と進む。
傾斜はそれほどきつくないが、スピードをあげないように
あせらず、ゆっくりと前進。
途中、鉄製の橋があったり、
大きな岩の上を渡り歩くように進んだり…
小休止をはさみ、1時間ほど登ると、
空が開け、目の前に黒百合ヒュッテが現れた。
水場の水を飲み、周りの写真をとったりしながら、大休止。
天狗の奥庭方向 アカトンボ
ヒュッテの前から天狗の奥庭方面を見上げる アカトンボが…
他にもチョウが…(苦手な人は開かないで)

 

我々は今日はここで宿泊だが、休憩のあとさらに先に進む人たちも多い。
ヒュッテの宿泊手続きをし、荷物を1階の隅に置く。
カメラとペットボトルの水を持って中山展望台まで行くことにした。

 

ヒュッテの前から中山峠までは平坦な道である。
中山峠からルートを左に。
しばらく進んで振り返った時、天狗岳の綺麗な姿が目に飛び込んできた。

登山のエネルギーは振り返ったときに満ちてくる、といった言葉を最近聞いたがまったくそのとおりだ。

急な岩場をよじ登るような感じで進むと、
途中にゅうへの分岐点。
左へルートを取りしばらくすると中山山頂。
眺望はまったくない。
中山峠から天狗岳
中山山頂

 

展望台を目指すがなかなか到着しない。
地図を確認すると、一度下ってから
また少し登ることになっている。
しばらくすると視界が開け、
広々とした岩場に到着。

何組かのグループが休憩している。
中山峠からそれほど歩いていないようだが、
先ほど見た天狗とはだいぶ大きさが違って見える。
反対方向を見ると、縞枯れの山が見える。
展望台から天狗岳
縞枯れの山

 

ヒュッテに戻る途中、
さっきは気がつかなかった
「にゅう」がよく見えた。

 

午後5時30分夕食。メニューはハンバーグ。
初めての山小屋の食事に大満足。
食後、外に出て、お湯を沸かしインスタントコーヒーを飲む。
気温14度。
半袖シャツの上に長袖カッターシャツ、フリースを着るが寒い。
星を眺め、午後8時就寝。
消灯前だが、どこでも寝られる特技が活きた。

 

午前4時 目が覚める。
布団の中でうつらうつらしながら、午前5時 起床。

外に出ると霧雨。
昨夜の天気予報では何とか天気はもちそうだったが…
午前6時 朝食。
外に出ると、かなり強い風が吹いている。
雲の流れが速く、時折青空がのぞいたりするが、相変わらず霧雨が続く。

午前6時30分。
出発の頃は雨も上がり、レインウェアーをザックにしまいいよいよ出発。
 

 

今日は中山峠からルートを右に取り、
天狗岳に向かう。

岩に道を攀じ登るように進む。
途中、雨が強くなりレインウェアーを着るが、
なかなか面倒くさい。
後ろを振り返ると、
天狗の奥庭、黒百合ヒュッテが見え、虹がかかった。
中山峠方面
中山峠方面

 

東天狗岳山頂 急な岩場を鎖を頼りに攀じ登り、
東天狗岳山頂に立つ。

東からの強風にあおられ、体がよろける。
手早く写真をとり、西天狗岳に向かう。
尾根を進み、登りにかかると、
遠くから見ていた以上にきつい。
西天狗岳山頂も強風にあおられ、長くたっていられない。
山頂の標識も倒れており、
手にもって記念撮影。

 

西天狗岳山頂 根石岳への縦走路
西天狗岳山頂 根石岳方面 根石岳?

 三角点を確認し、早々に下山にかかる。
西尾根に向かい、しばらくは急な岩場の下り。
一歩一歩着実に下りていくが、かなりひざに負担がかかる。
(歩き方の悪さのせいもあるのだろうが…)
第二展望台で休憩。
霧雨の中、視界が悪く展望はほとんどない。

 さらに30分ほどで第一展望台。
この頃、青空ものぞき、
東を望むと根石山荘らしき小屋が見え、
南方向には遠くゴルフ場が見える。
このあとはこれまでの岩場ではなく、土の道を進む。
膝への負担が思いのほかかかっていたようで、
これ以降、道はなだらかだが、かなりのペースダウンを余儀なくされた。

 唐沢鉱泉についた頃、急に雨が激しくなってきた。
K氏は以前から唐沢鉱泉の女将さんと知り合いとのこと。
ここで弁当を食べ、渋の湯へ戻る予定で、
食事をテラスで取らせてもらおうと声をかける。
すると、あと30分ほどで駅までバスを出すから、
温泉だけ急いで使ったら…ということになった。
かなり膝にきていたので大助かり。

 茅野駅で弁当を食べ、13:25発のあずさで帰京。
駅の階段は手摺を使わないと降りられなかった。

 晴れ、雨、強風、岩、下りのきつさ、
いろいろな経験がいっぺんにできた初めての山行でした。

 

 2000年目次に戻る

inserted by FC2 system