2004年3月20日〜21日
1日目 渋の湯〜黒百合ヒュッテ〜雪上訓練
2日目 黒百合ヒュッテ〜東天狗岳〜西天狗岳〜黒百合ヒュッテ〜渋の湯
昨年、とても楽しみにしていた山小屋のサイトがある。
ご存知の方も多いかもしれないが、それは南岳小屋のサイトである。
ほぼ毎日更新されるページは、写真とわかりやすい文章で北アルプスを紹介してくれるのだ。
10月の小屋閉めとともにしばらくその楽しみも休みとなってしまうはずだったが、
南岳小屋のサイトを管理されていた「さかもと」さんが個人的に「南岳小屋冬季休業中」というサイトを開設された。
現在は「安曇野〜北アルプス山麓から〜」というタイトルに変わっているが、
安曇野の風景を素敵な写真と文章で紹介してくれ、また楽しみが続いた。
2月3日の「上高地スノーシュー」のレポートの中で
燕山荘の元支配人の方が山岳ガイドとして活躍されていてそのお手伝いをしていると、書かれていた。
さらに、「『雪山へ行ってみたいけど、なかなか…』とおっしゃる方はよろしければご参加くださいませ。」
と言う文章とともに、福田さんのHPのリンクが貼られていた。
早速、福田さんの「安曇野山岳ガイドクラブ」にお邪魔してみると、
『冬山初心者のための登山教室』に出会った。
昨年秋のカモシカのバーゲンで、重登山靴と12本爪アイゼン、ピッケルは購入してある。
しかし、日程が3月20日〜21日の連休である。
1週間前にやっと確実に休めそうになったので、福田さんにメールをするとまだ間に合うとのことだった。
もちろんすぐに参加を申し込む。
3月20日 集合は茅野からのバスの時間に合わせ 渋の湯バス停に午前11時30分。 家を出たのは午前6時50分。 いつもと比べ、ゆっくりとした出発である。 ザックにはピッケルと2本のストック、 さらにケースに入れたアイゼンが付けられている。 連休なのであらかじめ「あずさ」の指定席を取っておいた。 おかげで、のんびり行くことが出来る。 |
午前9時46分茅野駅に着いた。 バス停には既にザックが並んでいる。 10時20分発のバスはちょうど満席だった。 市街地を抜け、少し進んだところで 窓の外に法被姿の若者が見えた。 あぁ、御柱だ、と思っていると次の広場では メドデコの飾りをしているようだった。 やがてバスは湯みち街道に入る。 カーブごとに観音様が祭られている。 渋辰の館の辺りで雪が降ってきた。 11時20分渋の湯に着く頃には、雪はかなり激しく降ってきた。 バス停には登山姿の男性が二人立っていた。 声をかけると、福田さんと、さかもとさんだった。 |
今回の登山教室の参加者は4名。
車で来た方の準備を待ち、準備体操をして12時30分黒百合ヒュッテに向け出発する。
雪は相変わらず降っているが、樹林帯の中ではあまり気にならない。
12本爪アイゼンデビュー |
先行する別パーティー |
ちょっと歩くと汗ビッショリ |
高見石からの道 |
八方台への分岐、ここで小休止 |
唐沢鉱泉への分岐 |
雪は降り続いているが、順調に進む。
ただ、一人に比べあまり写真が撮れないのがちょっと残念だが、それに勝るものが待っているだろう。
ヤドリギに雪が積もっている。
14時30分、黒百合ヒュッテに到着。
小屋の中で少し休むことにするが、既にたくさんの登山者でうまっている。
黒百合ヒュッテではザックは1階に置き、2階にはすべて布団が敷かれている。
すると、小屋側で個室を用意してくれていた。
個室にはザックをもって上がることが出来るので、ゆっくり休むことが出来る。
福田さんが淹れてくれたコーヒーでみんなでおやつをつまみ、
3時半からいよいよ雪上訓練である。
ヒュッテの前の斜面では 既に別のグループが同じように雪上訓練をしている。 ザイルを使った訓練をしていたが、 我々は初級の講習である。 |
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まずは、アイゼンとピッケルを使わない滑落停止訓練。 雪面にうつ伏せになり、膝を伸ばし、腰をあげ、手を組む。 靴先と、腕を雪面に食い込ませるようにして停まる。 次にいよいよアイゼン・ピッケルを使った滑落停止訓練である。 転んだらすぐにうつ伏せになる。 アイゼンが引っかからないように足をあげ、 胸の前でピッケルを雪面に刺す。 停まったら、アイゼンの爪を雪面にしっかり食い込ませる。 まず勢いよくすべり落ちるのが怖い。 何度もやるうちに何とかコツがつかめるようになってきた。 さらに耐風姿勢、急斜面のトラバースの時の ピッケルと足の使い方などを習う。 1時間の予定があっという間に午後5時である。 雪は相変わらず降り続いている。 |
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Photo by Fukuda |
2階は布団が敷きつめられている。 |
個室 |
夕食はハンバーグ、コゴミ、 フキノトウ入りの味噌汁等 |
夕食後の天気予報では明日は晴れるようだ。
その後、八ヶ岳の四季のビデオを見ながら、福田さんの話を聞く。
燕山荘のジョッキはかなり前からだそうで、最初は缶ビールを使っていたが
10年程前から生ビールを使っているとか・・・
合戦小屋の従業員は2階に寝ているが、夜中に下で音がするのでみると熊だったとか・・・
燕山荘にも宿泊者は気がつかないだけで熊が来たことがあるとか・・・
合戦小屋の荷物用ケーブルに遭難者を下ろすため一度だけ乗ったことがあるが、
2度と乗りたくないとか・・・
2年前の大雪の時のラッセルの話とか・・・
山小屋の人でないと知らないような話を他にもたくさん・・・
消灯時間前に外に出てみると、いつのまにか雪はやみ、空には満天の星。
明日は期待できそうだ。