3000mの稜線散歩
2004年8月9日〜12日
1日目 上高地バスターミナル〜徳沢〜横尾〜槍沢〜ババ平
2日目 ババ平〜槍ヶ岳〜大喰岳〜中岳〜南岳〜南岳小屋
3日目 南岳小屋〜南岳〜天狗原〜ババ平〜槍沢〜徳沢
4日目 徳沢〜明神〜河童橋〜上高地バスターミナル
今年の夏休みは槍ヶ岳に行こうと昨年から決めていた。
テレビ番組の罰ゲーム企画での槍ヶ岳山行を見た局長が同行を宣言。
さらに、二度経験したテント泊で、と計画は進んだ。
しかし、さすがにあの重さを背負っての槍ヶ岳は難しいだろうと、
ババ平にテントを置いて、山頂は山小屋泊とした。
楽をして上高地に入るために、新宿発23:00の夜行バス「さわやか信州号」を予約した。
新宿駅の集合場所についてみると、上高地行は2台とのこと。
はじめて北穂高岳に行った時は7台だったので、その少なさがちょっと意外だった。
上高地は今年から夏休みは観光バスの乗り入れも禁止している。
そのため、すべて沢渡からシャトルバスに乗り換えるが、
かえって、釜トンネルから先はスムーズに進むようだ。
6:15 予定より少し遅れてバスターミナルに到着した。 登山届を提出し、 梓川沿いのベンチで 持ってきたおにぎりの朝食を食べる。 6:45 重いザックを背負って、いよいよ出発だ。 まだ、観光客の少ない河童橋を過ぎると、 昨夜は雨だったのだろうか。 ところどころに水溜りが残っている。 昨夜、出発前に見た上高地の今日の天気は 一日傘マークだったが、どうやら晴れてきそうだ。 |
ザックの重さにも負けず 1時間で明神に到着した。 小休止で、トマトとみかんを食べる。 今回、ザックが重くなった原因のひとつだが、 夏にはこの方が口に入りやすい。 歩く道沿いにはたくさんの花が咲いており、 快調に前進する。 傘マークはどこへ行ったのか、 日差しが強く、こまめに水分補給をする。 |
程なく、徳沢園に到着。 局長は早速ソフトクリームを購入。 量が少ないと不満をもらす・・・ |
徳沢園を出てから 10分ほどで新村橋に着いた。 局長もここまでは以前来たことがあるが、 ここから先ははじめて進む道だ。 平坦な道を進むこと1時間。 目の前に屏風岩が見えてくると、 あっという間に横尾に到着。 登山客であふれるほどではない。 さぁ、ここから先ははじめて歩く道だ。 |
小休止のあと、 ババ平に向け、初めての道を歩く。 すぐに蝶ヶ岳への分岐点を過ぎ、 しばらく進んだところで、道端から泣き声が聞こえる。 覗いてみると、くちばしの黄色い雛がいた。 巣から落ちたのだろうか。 親鳥が近くにいるのかもしれない。 こういう場合、近くの小屋に連れて行ったほうがいいのだろうか。 ちょっと悩み、そのままにしたが、良かったのだろうか。 |
これで登っているのだろうか、 と、思えるほどの平坦な道だ。 2ヶ所ほど、フィールドアスレチックのような 切り株を埋めたようなところがある。 雨の時は水がたまるのだろうか。 しかし、この頃から日差しがなくなった。 歩くには気持ちが良いが 雨がちょっと心配である。 横尾から1時間ほどで 一の俣の橋を渡る。 |
雨が降るような感じではないが、 日差しのなくなった道を進む。 沢沿いの道は相変わらず平坦だ。 あまり、登っている感じがしない。 やがて二の俣の橋を渡り、 さらに前進である。 |
12:05 横尾を出てから1時間35分たったところで、 「もうすぐ 槍沢ロッジ がんばって!」 の表示があった。 と、思うとポツポツ雨が落ちてきた。 雨具を出すのも面倒なので 局長だけ傘を指し、槍沢ロッジに急ぐ。 表示どおり10分足らずでロッジに着いた。 |
もともと、小屋で少し腹ごしらえをするつもりだったので、
ちょうど雨宿りを兼ね、ラーメンとカレーを注文する。
雨はそれほどひどくなく、2度ほど荷揚げのヘリが着いた。
小屋泊まりに変更しようか、しばし悩んだが、
空は明るいし、
何組かがテントを申し込んでいるし、
テントさえ張れれば、なんとかなるだろうと
テント泊の申し込みをする。
今日テントを張って、
明日はそのテントを置いたまま山頂で小屋泊の予定なので
2泊のつもりでいると1泊料金だけでOKだった。
ただ、受付の人から
「雨模様なので増水すると危険なので川沿いには張らないように」
と、注意があった。
雨は上がったが、 念のためザックカバーをし テント場まで30分ほどの道を急ぐ。 ここからはすこし登りの道となるが、 すこし進んだところで、また雨が落ち出した。 木陰で雨宿りをしながら空模様を見る。 戻るなら今のほうが良いが、 空は比較的明るいし、 待っている間にも高校生が先に進んでいった。 なんとかなるだろうと、雨具の上だけ着て先を急ぐ。 (局長は傘なので雨具はついに未使用のままとなった。) |
運の良いことに、テント場につくと同時に雨が上がった。
このときを逃さず、テントを設営する。
すでに10張以上のテントが張られており、通路の邪魔にならずに、
水溜りにもなりそうにない場所を選ぶ。
ちょっと下がでこぼこしていたが、まぁ正解の場所選びだった。
15:00
テント設営が完了すると、また雨が落ちてきた。
テントの中にもぐりこみ、入り口でお湯を沸かし、コーヒーを淹れる。
中で横になっていると、フライシートをたたく雨の音が消えた。
ほぼすべてのテントから人が出て空を見ている。
この、雨の上がった一瞬を利用し、夕食の支度をしてしまう。
今日は、アルファ米のきのこ炊き込みご飯と、煮込みうどんの予定だ。
アルファ米にお湯を注ぎ、そのまま置いておく。
するといやなことにまた雨が落ちてきた。
急いでテントの中に逃げ込む。
うどんを出すと、茹で麺は昨夜のバスの暑さですっぱい匂いがする。
雨も激しくなってきたので、今日の夕食は、炊き込みご飯、燻製卵、野沢菜となった。
シュラフにもぐりこんでいると、遠くで雷の音がする。
テントの入り口を空け、フライシートを見ていると、凄い雨音と、車のフロントガラスのような雨の流れが見える。
そのフライシートに何かの虫がへばりついており、時々、流れの直撃を受け、十数センチ下がる。
しかし、この激しい雨の中、良くしがみついていられるなぁ、と変な感心をしてしまう。
幸い、雷の音は数回続いたが、近づくこともなく、いつのまにか消え、ホッとする。
午後5時過ぎ、突然、雨の中、テントの外に足音が近づき、
「槍沢ロッジの者ですが・・・」
と、女性の声がした。
避難勧告(?)かと、びっくりするとテント場受付の領収書の確認らしい。
しかし、この激しい雨の中、驚いてしまった。
雷はいなくなったようだが、この雨でどうなってしまうのだろう。
局長は意外にも落ち着いている。
フライシートをたたく雨音にも強弱があり、すこし弱くなったと思うと、今度は外でなにやら作業する音と声が聞こえる。
ほとんど雨音が消えたところで外をのぞくと、
隣のテントが水没し、私たちのテントぎりぎりに避難し、テントの下に水が入らないように溝を作っていた。
外に出てテントを数えてみると37張もあった。
午後6時過ぎ、雨は上がったようだが、この2時間ちょっと心配だった。
明日の天気を期待し、今日はもうシュラフにもぐりこむことにする。
今日 出会った 花たち