北アルプスに魅せられて                                          番外編

楼蘭王国探検記

1995年10月16日(月) 10日目

 

午前7時起床。
雲ひとつない快晴である。
インスタントラーメンの朝食を摂り、午前8時、いよいよ楼蘭古城に向け出発である。

 

(この日の感動は、日本に帰ってすぐに文章にしているので、そのまま載せます。)

午前8時、私たちは楼蘭古城を目指し、はるかに仏塔ののぞめる最終キャンプを後にした。
ヤルダンは、昨日までとは表情をかえ、今日の入場を祝福するかのように朝日を受けオレンジ色に輝いている。
そういえば、昨日最終キャンプ地に到着する直前、
年間降水量10数mmというこの砂漠で、まるで私たちを清めるかのような小雨に見舞われた。
GPSによると、最終キャンプから楼蘭古城まで2.6km、方位26度である。
古城の南西の方向から入場することになり、O氏の写真集によると左手に住居跡をのぞみ、
三間房、仏塔を経て右奥に東門が見えるはずである。

はるか仏塔をのぞみ、私たちの足は自然と軽くなり、ヤルダンの中を右に左に蛇行しながら進んだ。
見え隠れする仏塔がだんだんと大きくなるとともに、その左側に写真で見た三間房が見えてきた。

 

午前8時50分。 遂に楼蘭古城に到着した。
朝日を受け、神々しいまでに黄金色に輝く姿を目の当たりにして、声もなく固唾を呑んでいる自分がそこにいた。

中央に孔雀河が満々と水を湛え、周辺には胡楊の木が繁り、
東から西に、あるいは西から東に向かうキャラバンが一時の憩いの時を過ごしている・・・。
千数百年前の生活は、目の前に広がる光景からはとても想像できないが、
日干し煉瓦で造られた三間房の傍らに、
太さ30cm以上の土台と柱がほぞで組みたれられた住居跡が私の目の前にあった。

 

楼蘭古城の位置
 北緯 40°30′53.4″
 東経 89°54′47.1″
入場する前に文物局のホーさんから3つの注意があった。
1.場内で写真を撮ってはいけない。
2.場内にあるものをさわってはいけない。
3.場内にある建物に登ってはいけない。

ジーさんだけは許可を貰い写真を撮ることができるので、何枚も写真を撮っていただく。
後日、役所に提出し、チェックを受けた上送っていただいた。

 

住居跡前で記念撮影


住居跡


住居跡


土台跡?


柱が立っている


三間房(I 氏と)


仏塔前
手前が孔雀河辺りか・・・


東門前

 

城内には土器の破片や首飾りの石、ベルトのバックルらしい金具等、たくさん散乱していた。
午前10時30分。 青空の下、今回の目的を達成することが出来た。
ホーさんからも見学は2時間以内といわれている。
後ろ髪をひかれる思いで楼蘭を後にした。

 

午前11時20分、最終キャンプに戻り、インスタントラーメンの昼食。
車までは30km。
ゆっくり休憩し、午後1時15分、帰途についた。

朝夕は寒くて震えるほどだが、今の温度は34℃。
温度計を背中の日の当たらないところにおくと24℃を指している。

「ロバは来たときについた自分の足跡を見ながら帰る。」と、ウィグル人のガイドに教えられたが、
帰り道はまさにそのとおりであった。

途中三度の小休止をはさみ、午後6時30分、車まで16.9kmの地点でテントを張る。
 北緯 40°23′18.3″
 東経 89°51′21.6″

この日の夕食もインスタントラーメンであるが、さすがに5食続くと飽きがくる。


 楼蘭古城、千数百年前を思い、今を考えさせられました。

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